株式会社フォレストコーポレーション

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〜年によって茅の良し悪しがあるんだ
屋刈りが決まった時はきれいだな〜

伊那市富県 茅葺き職人 
北原郁夫さん(78)

 次第に目にする機会が少なくなっているものの一つに、茅葺き屋根の家があります。その土地に自生する植物のススキ・チガヤ・スゲなどを利用した日本の伝統的な住宅技術。有名観光地となった文化遺産的な街並みでは、軒を連ねる茅葺き屋根の家を見ることもできますが、普通の生活の中では、偶然「発見」すると思わず「茅葺き屋根だ!」と叫んでしまうほど、数少なくなってきています。
 皆さんは、茅葺き屋根の家が残っている場所をいくつ数え上げることができますか?
 その技術を伝え、残り少なくなった茅葺き屋根の家を守り続けている方々が伊那市におられます。今回は北原郁夫さんをリーダーにする茅葺き職人の皆さんにお話をお聞きしました。

 「茅葺きの魅力かい?そりゃあ、あんまりねえなぁ。夏は涼しいけど、冬は寒い。火の用心には向いていねえ。直すにも金がかかる。ろくなことはねえっつうもんずら」
 北原さんは、仕事の手を休めずにつぶやくように話しました。
 「仕事を頼むお施主の方も、それをする職人の方も、まあ、物好きっつうもんよ」
 やっとこちらを向いてそう言った時に、ニコッと笑った顔が印象的でした。
 78歳。22歳のときに茅葺きの仕事に就きましたが、昭和30年代後半になると茅葺きの仕事が極端に減少し、昭和41年(1966年)に茅葺きの仕事をやめ、食品販売会社に勤めました。定年後の2001年、同じ富県に住むNPO法人信州伝統的建造物保存技術研究会の吉澤政巳さんに請われて、茅葺きの仕事を再開し、同世代の仲間の皆さんと、伊那谷を中心に諏訪地万や佐久地方まで出かけて茅葺き仕事を行っておられます。
 昭和30年代後半に仕事が一挙に減ったのは、国が「防火対策」などの名目で、茅葺き屋根の改修に補助金を出したことなどが大きく影響したそうです。

 北原さんたちが材料にするのはススキ。茅場と呼ばれるススキの原で毎年刈り取り、乾燥させて使用します。
 毎年刈り取ると、ススキの密生が進み、質の良いそろったものが取れるそうです。あまり肥沃な士地だと固くなりすぎたり、雪が多い年だと曲がりが出たり、生育場所の土壌や年ごとの気候で茅の出来栄えが異なります。
 「硬いのなんかは(硬いと折れやすい)別にしておいて、屋根の下地のほうで使うんだよ。少し古い茅は、雨が降っても伝わって流れる水の量が少ない屋根の上の方で使い、新しい茅は下の方で使う。まあ、そんな工夫はあるわな」
 昔はそれぞれの集落ごとにいくつも持っていた茅場も、現在はそのほとんどが水田や宅地に変わり、良質のものをたくさん集めるとなると、とても苦労するそうです。
 できるだけまっすぐに伸びた、太さのそろったものが良い茅。曲がったものが多くなると、屋根に葺いた茅を伝わる水の流れを妨げることになり、茅の中に水がしみこみ易くなって、耐久性が弱くなるそうです。

 「茅葺き職人の腕の見せ所?そりゃあやっばり、屋根のかっこうだろうな。茅葺きはふくらみがないとダメだ。お寺の高い屋根なんかふくらみがないと、うんと貧相に見えちゃうんだよ」
 茅葺き屋根は、茅=ススキを「押さえ竹」で挟み込みながら葺いて行きます。この作業自体、屋根の梁の上にのり、下から一段づつ、葺いては登り、登っては葺くを繰り返す職人仕事です。そして、何層もこれを重ねて、屋根に厚みができた時点で、「屋刈り」と呼ばれる茅の刈り込みを行います。「屋根のかっこう」が決まるのはこの工程で、まさに「腕の見せどころ」です。
 しかし、「屋根に水糸を張ったり、物差しをあてたりするんじゃなくて、全部、勘の世界」。ふくらみ感を持たせながら、屋根の表面にでこぽこが出ないように上手に刈り込んでいくには、やはり長い経験と努力が必要です。

 北原さんたちのグループは現在4人。もともとは7人ですが、2人が体調を崩して現在療養中、1人が山梨県の体験学習施設の講師として赴任中です。
 忙しいときには手伝ってくれる人もいますが、この人数で、普通の大きさの屋根でのべ1OO人工(屋根葺きの仕事のみ。茅の用意など下準備は加えていない)はかかるといわれる茅葺きの仕事を継続してゆくことは大変です。天気にも左右される仕事だからなおさらです。
 「茅葺きの家は減ったけど、茅葺き職人も減ったもんで、結構、忙しいんだよ。『屋根屋殺すにゃ刃物は要らぬ雨の3日も降れば良い』っていうせりふがあるけど、ほんとそのまんまの状態だね」と北原さん。
 近年、信州伝統的建造物保存技術研究会の働きかけもあってか、茅葺き屋根を守るために、北原さんたちに仕事を依頼してくる人々も増えてきたそうです。
 「最初に言ったように、茅葺き屋根はそんなに良いところはねえさ。手間がかかるっきりだ。でも、昔っからある日本の農村の文化だでな。これを守るっつうこたあ、大切なことだわ」
 北原さんたちのお気持ちを、自分らも引き継いでいかなければと思いました。
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商圏エリア:長野全域

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本社:長野県伊那市西春近3005
フォレストウィングマンション事業部:長野県伊那市ますみヶ丘7352-1
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松本営業所:長野県松本市島立1043 matsumoto@forestcorp.jp
木組みの家伊那展示場:長野県伊那市下新田3044-1ハウススクエア伊那ハウジングセンター内

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